愛犬と一緒に国際線に乗る場合の注意点 輸出条件の確認と手続きまでを解説

飼い方

前回の国内線に引き続き、今回は国際線です♪
国内線よりは、ワンちゃんを乗せる機会が少ないと思いますが、愛犬とどうしても一緒に国際線に乗りたい時や、不測の事態もあるはず!そんな方のためにも、少しですが情報をまとめてみました。今回は、短期滞在編になります。

愛犬と海外へ行く場合(短期滞在編)

海外への移住や、長期滞在となると、国内でも国外でも時間も手続きもとてもかかりますが、短期滞在の場合は、下記のように少しだけ手間を省くことが可能です。

日本から海外(指定地域以外の地域)に出国して日本に再入国する場合であって、海外での滞在期間が短期間の場合、日本出発前に、マイクロチップによる個体識別、複数回の狂犬病予防注射、採血及び狂犬病に対する抗体価の確認を行い、さらに海外で必要に応じ追加の予防注射などを行うことにより、海外において180日間の輸出待機をする必要なく、日本帰国時の係留期間を12時間以内とすることができます。
つまり、海外に出国する前に、日本に帰国するための一定の処置を済ませておけば、海外で行う手続きを減らすことができ、スムーズに日本に帰国することが可能になります。

犬の輸出条件の確認と手続

海外へワンちゃん連れていくときは、日本を出るための条件と相手の国に入るための条件をクリアする必要があります。

犬が相手国に入国するための条件

相手国への入国の条件は事前に、相手国の大使館等又は相手国の検疫当局に確認する必要があります。
大使館リスト:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/link/emblist/index.html
出国が決まったら、なるべく早く出発空港の動物検疫所連絡しましょう。

注)一部の検査(エールリヒア症の間接蛍光抗体法など)は海外の検査施設で行う必要があります。

犬が出国するための条件

出国前に、動物検疫所で狂犬病(犬の場合は狂犬病とレプトスピラ症)についての輸出検査を受けなければなりません。
さらに、検査の前に、マイクロチップによる個体識別、複数回の狂犬病の予防注射、採血及び狂犬病に対する抗体検査を行うことにより、日本帰国時の係留期間が12時間以内となります。詳細については以下をご覧ください。

犬が国際線を利用する場合の手続の流れと必要な書類

日本における手続

(相手国の入国条件によっては、下記以外の処置等が必要になる場合があります。)

①マイクロチップの装着
ISO(11784及び11785)規格のマイクロチップを装着する。

②狂犬病の予防注射
①の後、生後91日目以降に狂犬病ワクチンを接種する。狂犬病ワクチンは、不活化ワクチン又は遺伝子組換えワクチンであること(生ワクチンは認められていません)。

③狂犬病の予防注射の再接種
②から30日以上、1年以内に狂犬病ワクチンを再接種する。狂犬病ワクチンは、不活化ワクチン又は遺伝子組換えワクチンであること(生ワクチンは認められていません)。

④採血及び狂犬病の抗体価測定
③の後、血液を採取し、日本が指定する検査施設で狂犬病の抗体価検査を受ける(血清1mlあたり0.5IU以上であること)。
検査結果は採血日から2年間有効。

⑤輸出検査の事前連絡
事前(7日前まで*)に輸出検査を受ける動物検疫所に連絡する。
(*相手国の入国条件によっては、早めの連絡が必要になる場合があります。)

⑥輸出検査(日本から出発)
動物検疫所での輸出検査時に、①~④について記載された開業獣医師及び検査施設発行の証明書を提出し、動物検疫所発行の輸出検疫証明書を取得する。

滞在国における犬の手続

①犬の入国の届出
日本到着の40日前までに到着予定空港(港)を管轄する動物検疫所に届け出る。

②出発前の検査
出発前に検査を受け、狂犬病(犬の場合は狂犬病とレプトスピラ症)にかかっていない、または、かかっている疑いがないことについての輸出国政府機関発行の健康証明書を取得する。

③日本に到着
要な情報が記載された輸出国政府機関発行の健康証明書動物検疫所発行の輸出検疫証明を確認でき、輸入検査で問題がない場合、係留期間は12時間以内となります。

注意事項
・日本到着までの間に狂犬病予防注射の有効免疫期間が切れる場合は、有効免疫期間以内に追加接種が必要です。
・日本到着までの間に狂犬病の抗体価検査の有効期間が切れる場合(日本で採血した日から2年を超える場合)は、滞在国で再度採血し、指定検査施設で抗体価検査を行う必要があります。
・関係書類や処置内容に不備がある場合、日本到着後に、最長180日間の係留検査が必要になります。

犬へのマイクロチップ装着

上記の説明の中で、ちょっと特殊な作業としては、マイクロチップの埋め込みでしょうか。
現在はヨーロッパやアメリカをはじめとした、世界の多くの国で広く使われています。

日本では、令和4年6月1日から、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化されました。一般の飼い主は努力義務ですが、日本から海外への犬の持ち出しについてはマイクロチップの個体識別が必要となります。※詳しくは動物検疫所のwebページをご覧ください。

ちなみに、マイクロチップとは
直径2㎜、長さ約8~12㎜の円筒形の電子標識器具で、内部はIC、コンデンサ、電極コイルからなり、外側は生体適合ガラスで覆われています。
それぞれのチップには、世界で唯一の15桁の数字(番号)が記録されており、この番号を専用のリーダー(読取器)で読み取ることができます。もちろんワンちゃんには無害ですのでご安心を!

飛行機は一緒に乗れるかも!?

以前紹介させていただきました通り、日系の国内線の飛行機においては、ワンちゃんの輸送に関しては専用のバルクスペースにてのみ搭乗が認められています。
でも、長時間のフライトでワンちゃんと離れるのはとても心配な方も多いと思います。
ワンちゃんよりも、むしろ飼い主さんの方が寂しくて耐えられないのでは!?笑

しかーーーーーし!!

そんな方のためなのか、なんと、海外の航空会社であれば、一緒に機内に搭乗することが出来るかもしれません!
一部の航空会社では、小型犬をはじめとして、動物の持ち込みが認められています。
これは、本当にありがたいサービス!!

出典www.united.com

事実、ぼくもアメリカやイタリアで飛行機に乗った時に、同じ便にワンちゃんを連れていた方を見ました♪
各航空会社によって規定が定められていますので、詳しくは各航空会社に問い合わせてみてください。

事前準備で半年以上

以上が、海外への出国と入国等の流れになります。
手続き等の詳細については、農林水産省や各航空会社へお問い合わせください。

ワンちゃんと出国する方
http://www.maff.go.jp/aqs/tetuzuki/qanda/dogcata.html#1-0

ワンちゃんと入国する方
http://www.maff.go.jp/aqs/tetuzuki/qanda/dogcata.html

とにかく、海外にワンちゃんと行くには事前の手続きに本当に時間と労力がかかります。
先にも紹介した通り、犬にマイクロチップを埋め込み、到着日の40日前までに到着予定空港の動物検閲所に届け出を提出し、さらに狂犬病の発生がない「指定地域」以外から日本に連れ帰る場合は、狂犬病の検査後に、180日の係留期間を持たなければならない…etc
狂犬病の検査自体にも時間がかかるし、指定地域以外の国からは、何かとやることも増えます。

以前ワンちゃんハンティングでも紹介させてもらった、帰国子犬のノイルとチェルシーの飼い主さんにお話を聞かせてもらいましたが、実際に半年以上時間がかかったそうです。

ですので、もしワンちゃんと一緒に海外への計画がある方は、なるべく早めの準備をオススメします!!

手続きは大変だけど、やっぱり大好きなワンコと何処へでも一緒にいたい!
そのためにも、海外への旅の際はぜひ頑張ってみてください。

それでは皆さんも素敵な旅を~

WAN VOYAGE♪

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SORA

レッドのトイプードル「TRINY」と共に、2016年に東京から福岡に移住してきました。 近所の大濠公園を中心に、TRINYと共に旅へ出かけては、絶景をバックに写真を撮ることを楽しんでいます♪

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