【第3回】佐藤元彦さん/日本矯正歯科研究所附属デンタルクリニック 院長

コンサル君Takehara
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日本の矯正歯科治療の第一人者、佐藤元彦先生。これまでの40年間で1万件以上にのぼる矯正歯科治療を行うとともに、歯学部の教授として矯正歯科医療の研究に携わってきました。 一人っ子だった佐藤先生は子供のころから大の動物好き。 […]


目次

日本の矯正歯科治療の第一人者、佐藤元彦先生。これまでの40年間で1万件以上にのぼる矯正歯科治療を行うとともに、歯学部の教授として矯正歯科医療の研究に携わってきました。

一人っ子だった佐藤先生は子供のころから大の動物好き。これまでも数多くの愛犬・愛猫とくらしてきました。

そんな先生は軽井沢での動物の命を救う「軽井沢ペット福祉協会」を友人たちと立ち上げ、すて犬や猫の保護に取り組んでいます。人と動物との共存を願って活動を続ける佐藤先生を、東京の街が一望できる渋谷の超高層ビルのオフィスに訪ねました。

愛犬と兄弟のように過ごした子供のころ

渋谷生まれで渋谷育ちの佐藤先生。子供のころは愛犬といっしょに過ごすことが多かったそうです。

「スピッツや柴犬、それに雑種と、仔犬をもらってきては育てていました。いま想い返すと小型犬が多かったですね。私は一人っ子だったので兄弟のようにして育ちました」と、子供のころを振り返ってくれました。

10年ほど前に愛犬を亡くし、現在は17歳になる愛猫がその代わりになっているそうです。

軽井沢でのすて犬や猫に心をいためて

現在、佐藤先生は軽井沢で動物の命を救う「軽井沢ペット福祉協会」を、思いを同じくする友人たちと立ち上げ、すて犬や猫の保護に取り組んでいます。

どうして保護活動に取り組むようになったのでしょうか。

「9年ほど前になります。別荘のある軽井沢で毎年、秋になるとすて犬や猫が増えるようになりました。夏を軽井沢で過ごした人や、アウトレットモールに買い物にきたついでにペットをすてる人が増えたのです。悲しいことです」。心を痛めた佐藤先生は「軽井沢ペット福祉協会」を友人たちと立ち上げ、ペットの飼い方を知らせたり写真展を開いたり、チャリティーイベントを行うなど啓蒙活動に力を注いできました。また里親を探してたくさんの動物たちの命を救ってきました。

「国際的な避暑地である軽井沢ですが夏の間は特にペットを連れた家族でにぎわいます。心ない飼い主によって、以前は年間100頭以上のペットがすてられていました。保健所に保護されたペットたちは引き取り手がいなければ1週間ほどで殺処分されてしまいます。今は元NHKニュースキャスターの磯村尚徳さんが会長を、私と女優の司葉子さんが副会長を務めています。会員には尾上菊五郎さんなど約90名近くの方が参加されています。現在、私たちの活動が功を奏し、殺処分は年間で数頭にまで減ったのですが、活動の手をゆるめると増えてしまうかもしれませんので、現在も活動を続けています」。

人も動物も健康の基本は丈夫な歯から

歯の研究と治療の第一人者である佐藤先生。せっかくですから、歯は健康とどんな関係があるのか、うかがってみました。

「みなさん歯は命に直接関係はないと思っていますが、健康と長寿を考えると歯はとても重要です。歯は食べ物の最初の消化器官ですから、健康な歯でしっかりかむことが大切です。よくかむことは消化によいだけでなく、脳の血流もよくします。野生動物は歯を失うと死んでしまいます。歯をきちんとそろえておくことは生きていく上でとても大切です」。

「歯だけでなく歯周病などの歯茎の病気は全身の病気をひきおこすことがあります。定期的に検診を受け、健康的なきちんとした歯並びにしていることが健康で長生きする秘訣です。日本ではまだよく理解されていませんが、歯並びをよくする矯正治療も健康にとってとても重要なのです。正しい歯のかみ合わせは食べたものの消化・吸収だけでなく、からだのゆがみや肩こりの原因を取り除くことにもなります。歯並びの美しさは美容のためではなく健康のためなのです」。

ついでに犬の歯についても、どんなことに注意をしたらよいのかうかがってみました。

「人間も犬も歯のケアはからだを健康に保つのにとても大切です。食事の後、必ず歯にはカスが残ります。口の中は温度が高くすぐに腐敗します。野生動物は堅いものをかむことによって自然に食物で歯を掃除しています。しかしドックフードなどだとそうはいきません。もしあなたのワンちゃんの口が臭うようでしたら、注意しましょう。歯ブラシや布で歯を磨いてあげるようにするといいですね。リンゴなどを食べると歯の清掃効果もあります。人間も動物も柔らかいものばかり食べないで、かみごたえのあるものもある程度食べるようにするといいですね」と、アドバイスしてくださいました。

東京の街を一望できるオフィスで想うこと

歯を通じて人の命を、保護活動を通じて動物の命に向き合ってきた佐藤先生。毎日、どんなことを想って取り組んでいらっしゃるのでしょうか。

「医学の世界は日進月歩です。新しい研究成果を患者さんの治療に活かすため、現在も研究と治療に専念しています。私の病院では研究の成果をいち早く治療に反映するとともに、CTスキャンなどの最新鋭の設備や機器などを導入して質の高い治療を行っています。私は一生、研究を続けながら治療にあたりたいと思っています。歯科医療の分野では技術や機械だけでなく、治療に使う材料も進歩しています。毎日が勉強です」と語ってくださいました。

患者さんの治療の忙しい合間を縫って海外での講演や国内の学会での研究発表など、精力的に活動しています。

動物は愛情で育てる

人の命をあずかる仕事に携わる佐藤先生は動物たちを取り巻く環境をどのように考えているのか、最後にうかがってみました。

「命を利益の対象にしたり、経済原則だけで動物を取り扱うのはよくないことだと思います。今も毎年10数万頭の捨て犬が殺処分されています。もし犬を飼うのなら動物愛護センターなどに行って、一生をともに暮らすパートナーとして引き取ってください」。

佐藤先生は診療と研究にはげみながら、今日も動物愛護に取り組んでいらっしゃいます。

この記事を書いた人
コンサル君
Takehara

ドッグパッドのプロデューサーであり、フラッフィーの飼主。 毎朝の散歩が日課です。